Thursday, October 11, 2007

For Example vol.1


ローリー・アンダーソン Laurie Anderson
《制度の中の夢/Institutional Dream Series》
1972-73
写真、テキスト

[実験の目的]
〈公共空間〉とは何かを捉え直す。

[実験の仮説]
法に触れてはいないが(社会的には)奨励されていない行為によって、公私を区分する境界を探る。
たとえば、眠って夢を見ることは、一般的には私的な行為だとされている。しかし、その行為はむしろ極めて無防備な、自分自身では統整できないような状態にあるとも言える。
無防備のまま公共空間へ投げ出された人間を、周辺の人間はどのように扱うのだろうか。彼らは、日常的に適用している社会規範を用いることが困難となり、別の基準を設定せざるをえない。眠った人間への反応は、既成の社会規範を切り離し、いわば〈純粋公共空間〉を抽出することになるのではないか。このように考えれば、夢もまた〈公共空間〉のような〈場〉として捉えることも可能なはずである。
類似した実験として、ヴィト・アコンチ Vito Acconciの1969〜73年頃の諸作品を参照のこと。

[実験の方法]
公衆トイレ、公園のベンチ、公立図書館といった様々な公共の場所で眠り、自分の夢に各々の場所の影響が現われるかどうかを試す。できるだけ疲れきった状態で行き、すぐに眠りに入れるように心がける。また、無防備な状態の人間に、周囲の人間はどのような反応を示すのかについても記録をとり、観察すること。

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