Saturday, November 05, 2005

芸のない芸人たち

もっぱら作業中、テレビをつけていることが多い。
それで気がつくのは、最近の若手芸人(特にピン芸人に多い)は「あるある系」のネタをやっているということだ。できるだけローカルで且つ共感できそうなものを描写し、言い回しで可笑しく列挙していくという方法だが、面白くないのは(芸がないのは)、彼らが同じ方法論でいるのにもかかわらず、うわっつらのキャラクターを変えて、個々に「カブる」ことを避けているという点にある。

大方は、うわっつらのキャラクターであるから、別にその語り口やローカルな視点そのものに影響を与えるわけでもない。例えば、今は消えつつある「ギター侍」は一瞬、「ボサノバ侍」になったが、結局、ギターがピアノとコーラスに変わっただけで、ネタの仕込みは変わってはいない。(これはウケなかったのだろう、その後、見ていない。)これでは、笑えるはずがない。

もうほとんどテレビでは見ることのない「ヒロシ」は、独特のキャラクターの視点を手に入れていたにもかかわらず、そのキャラクターがあまりにも彼の身の上と一致し過ぎていたため、持続することができなかった。

彼らは加藤茶や志村けんのように、役者のごとく様々なキャラクターを使い分けるという技量を持ってはいない。(驚くべきことに加藤茶は「オヤジのくしゃみ」と「花粉症のくしゃみ」、「ハウスダストのくしゃみ」を演じわけることができるのだ。)

いくらお笑い番組を見ても、これでは笑うこともできないうえに、切なくさえなってくる。(このような状況は、どこでも見受けられることなのだが・・・)

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